IDMブース 山久漆工様ブースをご紹介

JAPAN SHOP2024 IDMブース ニッポンプレミアム
開催時はあまりきちんとご説明できなかった部分もありましたが
山久漆工様もブログに書いてくださったのでよかったら読んでくださいね。

今回JAFICAにてご縁をいただき福井の山久漆工様のブースをデザインさせていだだきました。 
普段は住宅をメインに新築やリノベ-ションの設計&インテリアデザインをしているので
慣れないところも多々あり設置時に想定外もありましたが
ご協力くださった皆様のおかげで無事展示できました。
何よりも知っているつもりだった漆について学ぶところが多く貴重な経験をありがとうございました。

クライアント様の希望やアイデアも取り込んでデザインに活かすのはどのお仕事も同じ、これからも色々チャレンジしてみたいです。

まとめてみました。

漆~未来への挑戦~
漆の新しい世界観を発信しました。
今回のメインの展示は「匠プロジェクト」のチェスセット。
金属切削加工の技術と漆の技術が出合い新しい伝統技術の魅力を発信。
美しい造形のステンレスに加賀蒔絵で彩られた品は漆の展示では日本初お披露目。
輝かしくりりしいその姿は見た人を釘付けにしておりました。
残念ながら加賀蒔絵の職人さんは昨年末にお亡くなりになり、
同じ手のものはできないのだそうですが、蒔絵の型紙は残っており、
この職人さんの技術は匠プロジェクトとして次の職人さんに技術の伝承をすることができるそう。
新たなチェスセットが出来上がる日も近いですね。日本の伝統を守り育て世界へ発信したいというプロジェクトの思いがつながります。

一番目立つ場所には「漆」の筆文字を。
山久漆工様のお知り合いの奈緒美さんという書家さんの字を目立つ位置に配置。
こちらは希望を感じる力強い文字でとリクエストされたもの。
漆の文字の真ん中には希望の意味をこめた金箔を。(壁の印字は黄土色しかできなかったのですが金色に見えた!!)
会期中お会いできなかったので残念でしたが、文字と同じく素敵な方だったようです。 

展示台のところにはセレクトされた漆のテーブルウエアや漆の仕上げの数々。
Kasaneシリーズは伝統な形や黒、朱色の漆器を現代の生活に取り入れやすく作っています。
Towanシリーズはかわいらしさのあるもの。やっぱり皆さん魅了されていましたね。
漆のプロデューサーである山本社長はいろいろなアイデアやつながりを大事にされる方で
その仕事に取り組む姿勢も学ぶところが多かったです。

今回は漆のさまざまなな表情や表現を展示。
越前だけでなく北陸の漆を展示したのは
漆の新たな世界観を広げ能登半島の復興への願いをこめて。

(今回の写真はプロ撮影!他)以下展示の説明いたします

ブース全体

匠プロジェクト 戦国時代の闘いをイメージ。

(こちらは私のコーディネートのお客様である
カメラマンの星野尚彦さま撮影。
iPhoneなのに美しい。流石です。)

最初から真ん中に匠プロジェクトのチェスセットをおくと考え、
他は漆の製品のどのように置くか考えました。
最初に決まったのは正面の壁に漆のお椀を取り付ける、ということ。
山久漆工様の美しいお椀、外側の溜漆と何といっても美しく塗られた内側の朱もみせたい。
それにはどう取り付けたらよいか。
その手法を考えること数日。
お店やネットをうろうろ。
イメージのものが見つかった時には自分でも驚き!
なんと換気口フタを利用するのが最適でした。
見つけたのは近所のホームセンターで
多分建築施工やってる人しか行かない場所(笑)
施工時には業者さんが写真撮ってました。
そのフタに合う高台のお椀を選びました。
もっとほかの方法もあったのではというご意見もありましたが
展示終わった後のお椀は廃棄せず使えるものとしたい、という想いがありました。
こちらのお椀アートは3種類のお椀を使用。
通常漆のお椀の製作は作業に応じて何種類かの専門の職人さんが携わるのですが
今回は一人の若手職人さんが作りました。
木生地製作、中塗り、漆塗りと丁寧に作られた品物に注目していただきたいという思いをこめて展示。
これから成長していく職人さんに展示とはいえ廃棄前提ではなく
また再生できるものを。
それができるのが漆塗りのよいところなんです。

ブース右側のパネルは漆パネルシステム。
スパッジオワークス鈴木尚和先生のデザイン。
(チェスのデザインもされました。会期中幸運にもお会いできて全身オーラをまとっている方でした!)
スクエアの組み合わせはすべて漆塗りで仕上げられています。
住宅やホテル、施設などで使用していただけるよう漆の可能性を広げたく展示。
一緒に組み合わせたアンティークのお椀アートと
箸置きアートは黒い下台は家具職人さんにお願いし、私の方で固定部分を担当。
箸置きの向きをそろえて一つ一つ貼るのには建築道具を駆使。
差し金、消えるペン、マスキングなど。(やりながら道具みて笑ってしまった)
アンティークのお椀は輪島のもの。
お膳の器として作られてたもの。
今回は別の場所に保管されていたので地震の被害にあわずお披露目できました。
100年以上前にできたものがその当時のまま目の前にあるって奇跡なのかも。
こちらも換気扇フタをビスで固定し取付金具に。
インパクトも駆使。
固定の際の隙間埋め材も黒く塗って準備してていきばっちり設置できました。

ブース左側にはモニター取付。壁から出っ張らないよう埋め込み、
パソコン機材も壁の中に隠しています。普段のリノベの際の壁掛けTV取付のスキルがめちゃめちゃ役立った。
ホテルのTVモニターの納め観察とかも役立った(笑)
展示のなるほど、という納め方もあり。そしてinDubaiトロフィー。文字も金色に。
一番目立つ場所には「漆」の筆文字を。

器の横顔
美しい。

ところで奥の赤い枝はいつも行く産直市場に
何か展示に使えるものないかと出発2、3日前ふらりと寄ったらありました!
今回、奇跡?と思う発見たくさん
Kasaneシリーズ
この御重箱はカジュアルに使えます。
人気だそうです。私も持っているの。
地仕上げのプレートがかわいいのです。
拭き漆のスプーン
造形の美しいアトマイザーなどなど
展示されてました
お椀の出来上がるまで
塗り板の見本も美しい
こちらは御重箱の盛り付け
プロのお仕事。
色が鮮やかにうつります。
kasaneシリーズを使った盛り付け例 
3つのブースの後ろ姿。
それぞれが引き立つよう
JAFICAデザイナー3人で調整しました。
漆は透ける素材がないので
格子を入れて奥が見えるように。 
展示のブースの漆の筆文字と
パンフレットの筆文字リンク
気がついていただけました? 

ご来場の皆様、読んでくださった皆様、ありがとうございました。