松本の魅力再発見
7月13日、長野県インテリアコーディネーター協会の例会で松本市内を探索しました。
「かわかみ建築設計室の川上恵一先生と巡る中町(なかまち)上土(あげつち)界隈」と題して
中信地区の運営委員さんが企画。会員として参加してきました。
好天に恵まれとても楽しく熱い5時間半の小トリップ。
川上先生は松本の魅力を知り尽くしその古き良き景観や建物に新しい命を吹き込んで
まちづくりや古民家再生に尽力され景観賞なども受賞多数の方。
私たちにとてもエネルギッシュに語りかけ案内していただきました。
最初は遠巻きにしていた私もついつい先生のすぐ後ろについて周ってました。
蔵や古い建物の素材や作り方を質問したりお話しを伺いながら普段は通らない小径を歩いたり、、
暗渠になった水路やお堀の跡を見て街の成り立ちを知り、(ほぼブラタモリ感)
普段何気なく見ていた街が新たな輝きを放ち松本の街や建物の魅力を知る時間でした。
巡った場所(写真に注釈いれたよ)
○蔵シック館
○旧三松屋
○みどり薬局
○はかり資料館
○神明神社
○縄手通りを遠巻きに
○ホテル花月
○下町会館 擬洋風建築
○白鳥写真館
○鎮神社
○ヒカリヤ
○最終目的地かわかみ建築設計室
以上の街歩きは松本城下町復元図を見ながらと先生の溢れる情報を聞きながら歩きました。
本来は水の街である松本の湧水を汲み飲みながら回るはずか、
そんなことを忘れるくらい夢中に。
(危うく熱中症になりそうに、、途中で飲んだ湧水の甘いこと!)
最終目的地のかわかみ建築設計室では川上先生を囲んでサイドレクチャーを。
街づくりは街繕いだとおっしゃって多くの街づくりに携わった川上先生のお話しにまた聞き入る。
足で考え手で思い、テーマを変え何回も見て歩いてみよう、
再発見して皆に伝えることが街づくりにつながるのだとのこと。
長野の風土や気候に合わせた建築とは?長野の国宝は?長野の重要伝統建築は?
そして建築とは?デザインとは?
の質問に先生の考えをお聞きしたり足りない知識を補充し自分でも考えてみる、
そんな大事な時間でした。
川上先生、誠にありがとうございました。
中信地区の運営委員の皆様も3年越しの企画の実現ありがとうございました。
、、、今年の初めの松本建築芸術祭、そこで見た事と今回の例会で体感した事、
春に明治村に行ったこと、色々がリンクしてとてもスペシャルな一日でした。。
伝統の蔵造りの展示も。土壁の上に漆喰を塗るのだ。
最高級は黒漆喰。
今も変わらず薬局。
建築するにあたり施主様が東京に行ってその当時の洋風建築を見に行き真似て作ってもらったそうです。
黒いところは瓦。斜めの納まりは水を流すため。
盛り上がる漆喰は瓦の繋ぎに水が入らないように。
なまこ壁の上に水切りも中に水が染み込まないように。
瓦に角をつくり納めも正しく作られてる。
デザインでなく、耐候性を持たせるために作った美しさ。
「用と美」のこの形の理由を知らずに真似した建築は納まりが違うこともあるらしい。
長屋の作りは表から裏へ真っ直ぐ抜けているのが特徴。
はかりの展示はあまり見られなかったので次回に。
擬洋風建築。天井や窓の作りがかわいいよね。
先生と一緒でないと抜けられないよね。
初めてきた。松本市民も知らないような場所らしいけど地域で守られている。
川を道路に見立てバラック小屋を商店街のように。
川岸のため建築物は建てられないので実は仮設建築物扱いというのも面白い。
見るだけで涼しい風が吹き抜けるよう。
蔵造りの特徴の一つ丑鼻(丸いマーク)は高い左官技術で作られている。見比べるのも楽しく。
次はお店に入るよ。
入り口のパルテノン神殿風柱、
木の柱で作っていて、エンタシスにはなってないのだけど
なんとか見よう見まねで西洋の技法を再現しようとする大工さんの心意気を感じる
レトロな内装もかわいいよね。
解体の危機を免れ曳家してファサードだけ残して補強工事されたそう。
何度も利用してたのに知らなかった!
表も中も一緒の時期のものと思ってた衝撃。
フランクロイドライトの旧帝国ホテルと同じ技法を使ったスクラッチタイル、
現在の技術では再現できず、その違いもくっきり。
(上がオリジナル、下が再現したもの。ライン綺麗過ぎるのだ)
旧帝国ホテル、春に大人の遠足で明治村に行きました。
後から写真みたら同じタイル!これも知らなかった!!
後ろには住居。
堀を跨いで建ってるので高い方の塀の下の板の隙間から覗くと、水路が見える。
(右の写真じゃみえませんが)
この辺りは水路が暗渠になってるのだ。
取り壊しを免れてに蔵造りを生かしたレストランに生まれ変わった。
(実は前日ヒカリヤヒガシで食事したの。
幸せな時間だった〜。詳しくはまたの投稿でね)
通りの向こうから私たちに説明してくださる川上先生。
暑い中、本当にパワフル!!ありがとうございます。
何と木造二階建て。看板建築の外観は石造りに似せた洗い出し。
当時の技術の粋を結集して作られた。
旧開智学校の立石棟梁の弟子で地元の佐野棟梁が現場を仕切ったとのこと。
前回松本建築芸術祭で中も見せていただいて
知っているはずなのに改めて木造ということに驚いてしまう。
木造には見えないのは、洗い出し以外に上げ下げ窓やレリーフのせいかな。
レリーフが未だに残っているのは技術の高さの現れ。
かわいいレリーフに魅入る。
現在かわかみ建築設計室として使われています。
中も診察室が先生の部屋だったり、、資料室が設計室だったり。
待合の椅子は当時のままとか。
素敵な場所。