シルクの街岡谷を体感!!

9月29日長野県インテリアコーディネーター協会の例会。久しぶりにリアルでお会いしました〜。
「シルクの街岡谷」シルクファクト岡谷(岡谷蚕糸博物館)と併設する宮坂製糸所の工場見学、
シルクのインテリア実例見学と盛りだくさん。
コロナに配慮して会食、会合ナシで見学のみとなりましたが、充実した時間を過ごしました。
(以下、長いレポート投稿です。虫とか苦手な方は写真あるのでご注意!)


最初は生糸を生み出す「お蚕様」の見学。長野出身者は皆さん小学校の時に自宅で育てたそう。
今も博物館では希望する学校に蚕を育ててもらうプロジェクトをしているとのこと。
(私は初めて蚕をじっくり見ました!)生糸は蚕の命をいただいて出来上がること。
繭の中の蚕の運命と運良く成虫になったとしても、
人間社会の中で生糸を作り出すため改良されたので生きる術を知らず、
目も口も無い状態で飛び立つこともできずにただ命を繋ぐために卵を産むのみ、
という事実に衝撃をうけたりも。
生糸からできるシルクは美しさを愛でるだけでなく
大切に扱う事は生命も大事にすることなのだと気付きます。
学芸員の森田さんのお話にジンときました。


岡谷市は生糸貿易の最盛期、フランス製の製糸機械を日本流に改良し
生糸の生産量を大幅に増大させ全国から岡谷に女工さんが集まってきたそう。
博物館には日本に初めて輸入されたフランス式製糸機の展示や機械の変遷なども展示されていて、
世界遺産の富岡製糸場にあった機械は岡谷で大切に保存されて現在博物館に展示されてます。
また女工さんというと過酷な労働のイメージですが
実際は元気に働けるよう食事も気を使われていたという史実も。
今回さらに珍しい製糸機が展示されている博物館では大河「晴天を衝け」の撮影協力もしたそうですよ。

さて併設された宮坂製糸所は日本に現存する四つの製糸工場の一つ。
デモではなく実際に操業しているとのことで社長の高橋様自ら案内していただきました。
諏訪式操糸機では生繰りといって乾燥処理せずに生糸を繰りだすので白さが際立っているそうです。
機械生産もありますがさまざまな生糸の希望を聞くためにはやはり手作業。
職人さんが操る糸は私達にはきちんと見えないのに
手には糸が繰り出されていて魔法を見るかのようでした。
そうして作り出された糸の中で玉糸と呼ばれるものが壁紙として使われているそうです。
絹布紙(きぬふし)と呼ばれ裏打ちは越前和紙が使われていて、光沢や色彩に独特の輝きがあるのだそう。
越前和紙が裏打ちとして何故使われているかはわかりませんでしたが
表も裏も日本の伝統技術が使われていることが嬉しくなったり
先日もお聞きした越前和紙のセミナーとも通ずる日本の伝統技術の魅力をインテリアで発信できたら良いです。
そして生糸の魅力を知り寄ったショップでは思わずストールを買う(←出会いだからね、と言い訳 笑)

製糸所を守り続け生糸の魅力を発信している高橋社長様、ありがとございました。最後は皆で一緒にパチリ。


その後、宮坂製糸場で生産された玉糸を使った絹布紙を実際に使用したインテリアの見学。
岡谷市では駅前の「テクノプラザ岡谷」に小ワーキングスペースを作り、
県内外の人に使ってもらうことでシルク岡谷を広めたいそうですよ。
岡谷の名産の紹介展示をし、絹布紙はその展示用家具の扉に使われていました。
会員の小島屋さんがデザイナーさんと共に製作したものだそうです。
無垢の木と絹の光沢が素敵な良い作品でした。半日の見学なのにとても充実していました。
実は最初ちょっとテンション低めだった私。
実は明け方まで朝からの現場打ち合わせの図面を書いていて既に一仕事終えた感のお疲れモードでした💦 
でも見学や素敵な作品に出会えて帰る頃には元気に。
帰りには岡谷のうなぎ(これも有名なのだ)も買ってかえったのでした。
お世話になった皆様ありがとうございました。